上田から、長野に向かって北上、戸倉上山田温泉街を抜けて暫く行きますと、姨捨山に辿り着きます。この姨捨山、あの「姨捨伝説」の姨捨なんです。私は、ここを訪れるまで、棄老の暗いイメージがありましたがどうしてどうして、実は慈愛溢れる物語なのです。
以下、姨捨山伝説引用します。
「昔、年寄りの大嫌いな殿様がいて、60歳になった年寄りは山に捨てる事というおふれを出しました。殿様り命令には誰も逆らえません。親も子も、その日がきたら山に行くものとあきらめていました。
ある日のこと、一人の若い男が、年老いた母親を背負って山道を登って行きました。深い悲しみを振り払うように、ただ夢中で。ふと気が付くと母親が、ボキッ、ボキッと木の枝を折っては道端に捨てています。男は不思議に思いましたが、何も聞かずにそのまま歩いてゆきました。
年寄りを捨てるのは、深い深い山奥です。男は母親を残して一人帰るころにはもうとっぷりと暮れて、あたりは真っ暗闇。男はすぐさま道を見失って、母親の所に引き返しました。
母親は静かに言いました。さっき、木の枝を折ってきた、それを辿ってお帰り。子を思う親の深い愛情を、今更ながら知った男は、ついに殿様の命令に背く覚悟を決め、母親を連れて帰りました。
それから暫くして・・・
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