ANA在職37年余りの中で、その殆どを現場の営業職として過ごした。国内販売では長い間、夏は沖縄、冬は北海道スキーと販売の中心は決まっており、私自身両観光スポットには数えきれないほど行き、現地の皆様方と本当に素晴らしい人間関係をつくらせて貰った。スキーは北海道に限らず、若者の冬の定番で、都会のバスターミナルには、やれ白馬だ、志賀高原だとスキーバスに乗る若者が溢れていた。
我々は何とかそのお客様を北海道に誘致しようと、「北海道は雪質が違います・・・パウダースノーいやアスピリンスノーと言いまして、雪の質が実に細やかでソフトなんです」「ゲレンデも空いていますし、リフトに長蛇の列何てありません、アフタースキーも充実し、将にスキーリゾートとは北海道の事です」いやはや、良く言ったものですが、正直言いまして、全て受け売り。自分では北海道でのスキーはおろかスキーそのものをやった事がありませんでした。稀代の大ウソツキといってもいい位で、今思えば怖いものなし、好い加減極みです。何の縁か長野に転勤して来て、当時の支店の連中から、折角赴任してきたのだから、一度やってみたらどうですか?と誘われ、初めて挑んだのが、東急タングラムスキー場でした。
商売上お付き合いもあり、タングラムで一切のスキーグッズをレンタルさせて貰い、インストラクターまで付けて貰ったものの、全くのど素人、前転、後転、一回転・・・まるで上海雑技団、よくストックが身体に刺さらなかったものだと思いました。まるで風呂に入った如くにびっしょり大汗をかいて、スキーってのは何て難しいものだとつくづく思い知らされた次第でした。その後、これまた無理やり誘われて、焼額、白馬と行っては見たのですが、初回以上の体たらく。全くご無沙汰していました。
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