日経新聞編集委員志水富雄氏が、野村証券との特別コラムの中で、「水と肥料;深刻化する水と肥料不足の中、資源国の支配が強まる」として警鐘を鳴らしている。
以下要旨抜粋・・・国と国だけではなく、工業と農業の間でも水の奪い合いは深刻になる・・・世界の農地が増えない大きな理由も水の不足にある。穀物耕地の7億ヘクタールは、世界の陸地の僅か5%に届かない。いくら土地があっても、水がなければ作物は育たない。人類が苦労して農地開拓しても、それを上回るペースで砂漠化が進行する。しかも貴重な淡水には、環境汚染などの影響が押し寄せる。
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並盛り一杯の牛肉と米を生産するのには、計2トン近い水がいる。東京大学と国立環境研究所がはじいた計算。牛肉を一キロ生産する、つまり肉牛を1kg太らせるには7〜8kgのトウモロコシがいる。更に7〜8kgのトウモロコシを生産するのには、肉牛が直接飲む水とは別に、トウモロコシを育てる水が必要になる。牛丼の米の場合、1kgの生産には3600リットルの水が必要。こうした消費者には見えにくい水を「バーチャルウォーター(仮想水)」と呼ぶ。
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