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飯田哲也氏 エネルギー進化論 その3 2012 1月23日

エネルギー進化論.jpg環境エネルギー政策研究所飯田哲也所長.jpgエネルギー進化論その3です。
批判③自然エネルギーは非現実的だ。
自然エネルギーは高コストで安定供給できないばかりでなく、そもそもそれだけの自然エネルギーを日本に現実的に導入する事は、スペース的にも不可能である。例えば風力発電をお互いに干渉しないように設置するためには、最低でも100mずつ離す必要があるから、100万KWの原発一基分の風力発電を直線に並べれば177Kmになる。ざっと東京〜いわき間の距離だ。原発40基分となると、この40倍だから7000kmで、北海道の稚内から鹿児島の指宿を結ぶJR線の距離が約3000kmなので、風車が列島を南北に1往復する計算になる。これが全く非現実的である事は明らかだ。
また、太陽光発電も、100kwの原発1基分を発電するためには、面積で言うと山手線の内側全てにパネルを設置しなければならない。日本にその数十倍もの土地があるか疑問だ。従って、自然エネルギーはせいぜい補完的な役割を担うだけで、現在社会を支える基幹エネルギーにはなりえない。自然エネルギーは夢想家のいだく空論に過ぎない。
<③に対する反論>
太陽エネルギーは人類が使うエネルギーの1万倍もの膨大な量が降り注いでいます。
日本では、あまりにも自然エネルギーの普及が立ち遅れているので、基本原則や基本常識を無視した乱暴な議論が横行しています。この批判はその典型的な例と言えます。ます゜、最も重要な事実として、自然エネルギーは膨大にあります。自然エネルギーの中心である太陽エネルギーだけでも、人類が使用する化石燃料と原油のおよそ1万倍もの膨大なりょうが降り注いでいるのです。そのわずか一万分の一だけで、世界全体を自然エネルギー100%に転換できるのです。
これに対して、自然エネルギーはエネルギー密度が薄いので産業的には使えないと言う批判もあります。しかしエネルギー密度は実は関係ないのです。電力、温熱、燃料という二次エネルギーに変換出来さえすれば、自然エネルギーであろうが、化石燃料であろうが原子力であろうが全く関係ないのです。