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調達算定委員会、25年度の買取価格に向け検討を開始 2013 1月23日

太陽光発電 ドイツ.jpg
愈々というか、遅いよというか25年度の買い取り価格が検討される「調達委員会」が昨日から開かれ始めた。1/19付けの日経新聞で「再生エネ価格維持へ」と言う記事が掲載され
昨日は同新聞で、再生エネ買い取り価格30円後半?という記事が掲載されるなど、憶測を含めて字用法が錯綜し、業界諸氏も一喜一憂と言ったところ。
果たして再生エネの将来が果たしてどの方向に向かうのかは、この2年目の対応が(政権も交代したこともあり)注目している。
値下げ論は①太陽光発電に関してはパネル価格が下がっている②一般の所謂賦課金の負担が重いとの理由。反対に価格維持派は、まだまだ十分に自然エネルギーが普及して
いるとは言えない現状で、一年だけでもう価格を下げるようなことをすれば、折角の拡大機運に冷水を浴びせる結果となってしまい、時期尚早と説く。
何でもお上が悪いと片づけるつもりはないのだけれど、一体この日本のエネルギー政策は一体どこに行こうとしているのか明確な指針が未だ示されていない中で、その価格のみ独
り歩きして、ああだこうだという事自体笑止と言わざるを得ない。
様々な業界の思惑が蠢く中で、参議院選挙を見据えて安倍政権もどこにも良い顔をしたい中で、はっきりとものが言えないのだろうが、それで百年の刑を誤っては勿論良い訳がない。
そもそも、メガソーラーを大資本が金にあかせて設置計画をぶち上げている。各県市町村もメガソーラー設置はその担当者の実績として真に解り易いものとなる為に、施策展開も、いわ
ば猫も杓子もメガソーラーへと草木もなびくという現状。
自然エネルギーの普及・拡大・促進のキーワードは「小規模分散型」であり、地域の中でみんなの力、みんなのお金を少しづつ結集しながら、地道ではあるが確実に10KW前後のスケ
ールで設置してゆく事であると信ずる。
メガソーラーの大幅な設置のムーヴをあえて否定はしないのだけれど、大資本が巨大施設を造っては、今までの焼き直しでしかなく、原子力がメガソーラーに代わっただけで、エネルギ
ーがいつまでも市民のもの、地域の物になり得ない。大資本の意向で何とでもなってしまうリスクをあえて今容認するかしないかの判断でさえある、今回の価格決定である。
パネルの価格は下がっているのか?中国から徒に前後の見境なく作り続け、莫大なストックになってしまった劣悪なパネルが、何の根拠もない20年保証と称して、大量に我が国に出回
っている。それがとにかく経費を節減して大規模ソーラーを設置したい大資本と結びついて、市場価格が下落しているといった現状であり、こんな構図は小学生でも解る。
これを以てパネル価格が下がっているからと言うのであれば、小規模分散型がキーワードと信じて、発電効率の良く長持ちする優秀なパネルを製造してきた邦人メーカーの足元を掬う事
になりかねない。「パネルの価格が下がってきている」という極めて乱暴な論理は、何とも悲しい。
一般利用者の賦課金の負担が大きいという論理も、首を傾げざるを得ない。現在の電気料金のそもそものブレイクダウンを示して欲しい。賦課金(現在1家庭84円?)のみを取り上げて
高井、不平等というならば、闇の中に隠れた現在の電気料金の中身をすべてオープンしてから論ずるべきだろう。相変わらずの総括原価主義、独占している送配電網の改革の方を、棚
上げして、賦課金負担のみ論じることは重箱の隅をほじくるのに等しい。
ドイツはFITの買い取り価格を下げたじゃないか!という論理も、ドイツの現状を全く理解していない。ドイツでは、FITが功を奏していち早くその目標値を達してしまった。我が国はその目
標値すらないが、その目標値のレベルは恥ずかしいほど高い。普及率が1~2%の現状で、ドイツは止めたじゃないかは我が国におけるFITの判断には全くならない。
はてさて、どのような結論になるか、わが国のエネルギー政策の姿勢が問われる。