昨年末の紅白歌合戦、三輪昭宏の「ヨイトマケノ歌」がネット上をはじめとして、凄い評判だそうだ。1964年に生まれたこの歌は戦後の激動の時代を貧しく苦しくとも互いにかばいあって生き抜いた母子のきずなを描いた歌。
私は残念ながら、ドロナワの年賀状作りでラジオでしか聞く事が出来なかったけれど、昔とちっとも変らぬ力強い歌い方で、聞いていて何とも言えない感動がこみ上げてきた。
Twitterで絶賛の嵐が巻き起こり、普段は罵詈雑言で溢れている「2チャンネル」も褒め称えるコメントで埋め尽くされていたらしい。
この歌は、紛れもない名曲なのだが、「放送禁止歌」の代表的楽曲という側面も持っている。題名や歌詞に「ヨイトマケ」「土方」といった差別用語とみなされる言葉が含まれているといった理由らしい。
ピンクレディの「SOS」も冒頭に、あのトトト、ツーツーツー、トトトというモールス信号がサンプリングされていたため一時放送禁止扱いになっていたらしい。この制度は1983年に廃止されたが、改めて近年その「放送禁止歌」に
スポットが当たり、今まで接する機会の無かった世代から大きな反響が巻き上がるといったケースが増えているとの事。
そういえば、岡林信康の「手紙」、高田渡の「自衛隊に入ろう」、フォークルの「イムジン河」なども確かそうだった。これ以外にも「要注意歌謡曲」の指定扱いで自主規制されることはあるようだ。放送禁止歌や要注意歌謡曲は
無い事になっているものの、現場サイドでトラブル回避のわが身可愛さ故の自主規制はあるようだ。徒に人を傷つけたり、揶揄中傷する事との間で、どうしても過剰反応してしまうのだろうが、何とも言えぬ情けなさもある。
「骨のある歌が、魂の叫びのような歌が減った」と思うのは、私自身老成している故か?
今やオカマばあさんの三輪昭宏さんに拍手。