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飯田哲也氏 エネルギー進化論 その2 2012 1月23日

環境エネルギー政策研究所飯田哲也所長.jpgエネルギー進化論.jpgエネルギー進化論その2です。
②自然エネルギーは不安定だ。
日本人の現在の生活レベルを維持し、精算などの経済活動を滞りなく行う為には、安定した電力供給が求められる。この事を考えると、日照時間によって発電量が左右され値太陽光発電や、風向きによっては電力供給が小さくなる風力発電などに頼るのは心細い。経済成長を続ける為に必要な電力を、自然エネルギーが安定的に供給できるのか疑問。
<②に対する反論>
そもそも、地熱発電・バイオマス発電・水力発電は「安定した自然エネルギー」です。その上で、太陽光発電や風力発電を一つひとつみると、たしかに「風任せ、お天道様任せ」と言われるほどに、発電量は変動します。しかし、それだけを強調して「安定供給に問題がある」と短絡するのは、一般の人を誤解させる、街がった言い方です。素人目には、如何にもそう思えるので「判り易いウソ」と言っても過言ではありません。
第1に、数が多いと平均かが生じます。太陽光発電も風力発電も、数が多くなればなるほど、全体としてみると、個別にみられる瞬時の激しい変動では無く、もう少しゆっくりとした変化に変わってゆきます。
第2に、変動それ自体が問題ではないという点です。平均化してもなお出力は変動しますが、それ自体が致命的な問題ではありません。なぜなら、需要も時々刻々と変動するからです。電力システム全体としてみると、変動する自然エネルギーの出力と変動するじゅようとの間を埋める事が出来れば、安定供給に何ら問題を生じません。
太陽光発電も風力発電も起床予測などである程度出力は予測できるため、当面は、天然ガスや水力発電・揚水発電など瞬時に対応できるピーク電力を活用する事で、需給調整は出来るのです。やがて蓄電池なども期待できる筈ですが、げんじょうではまだコストが高く、余り実用的ではありません。