月刊誌「環境ビジネス」4月号は、"太陽光発電の「真」常識"の特集記事があり、内容も秀逸と考えられる為、ご紹介する。
真常識として16項目を上げている。
①太陽光発電は発電量で選ぶ!②余剰電力はメリットあり、2011年は「買い」の時期③ここが良かったーーPRは壁面へ④ここが良かったーー同時に工場全体をオール電化、脱炭素化⑤ここが良かったーー差別化に成功⑥屋上設置は屋根全体で考える⑦パネルは防汚、反射防止で発電量は高まる⑧メガソーラーは単独運営できる⑨沢山のメーカーに通じている事業者を選ぶ⑩メンテナンスは必須・有償⑪安全性は規格を、保証・補償には比較を⑫実証の成果高く、メガソーラーの技術向上⑬積雪地には結晶系が強い⑭施工で環境負荷低減できる⑮架台コストは1/4以上の可能性⑯クリーン電力制度を活用せよ⑰工場立地法で優遇措置⑱まだある!企業向け補助金・・・さすがに環境雑誌だけに微に入り細にわたり素朴な疑問を含めて専門的な考察がしてある。これから太陽光発電の導入をお考えの方々に判り易いガイダンスとなっている。同ブログでも機会があれば一つ一つ詳細を伝えていきたい。
太陽光発電・風力発電が今夏から「優先給電」へという話題。2/21付け「環境新聞」に掲載された。特記事項としてそのまま抜粋掲載する。
太陽光・風力発電 今夏から「優先給電」へ経産省、再生エネ拡大で電力系統ルール見直し
2011/02/21 21:08
[環境総合][環境新聞社].資源エネルギー庁は電力会社の送配電系統への再生可能エネルギー接続ルールを抜本的に見直し、風力・太陽光発電優位性を持たせる方針で、今夏にも実施の見通し。
経済産業省資源エネルギー庁は再生可能エネルギー電源導入拡大のため一般電気事業者(電力会社)の送配電系統への接続・給電にかかわるルールを抜本的に見直し、風力発電と太陽光発電に優先性を持たせる「優位規定」を導入する。電力の供給力余剰時の対策として、安定供給に支障を及ぼさない範囲で、一般電気事業者が調達する500キロワット以上の事業用電力、太陽光の出力抑制を「最後尾」に位置付ける。非事業用の住宅用太陽光発電などについては、全国ベースで太陽光の導入量が1千万キロワット程度に達するまでの当面の間、出力抑制の対象にしない方針。エネ庁の次世代送配電システム制度検討会第1ワーキンググループ(座長・横山明彦東京大学大学院教授)が23日にまとめる報告書に盛り込み、今夏にも実施する。
欧州以上の優遇
エネ庁は、再生可能エネ電源の系統への導入円滑化に向け、同電源の接続や給電等に関する系統ルールを整備することが重要と判断、昨年7月以降、次世代送配電システム制度検討会第1ワーキンググループの場および電力系統利用協議会(ESCJ)において系統ルールの抜本的見直しを検討してきた。
ESCJは、送配電ネットワークを利用する事業者の公正な競争を確保する観点から03年の電力自由化拡大へ向けた電気事業法改正で、電力系統にかかわる設備形成、系統アクセス、系統運用などの業務支援を目的として04年に設立された。一般電気事業者、特定規模電気事業者(PPS)など利害関係者や学識経験者から成る中立的な経産相による指定団体。そのため、現行のESCJの系統ルールは、電力自由化に伴い電力系統を多数の事業者が利用することになったことを踏まえ、事業者間の公平な競争を確保する観点から、事業者別・電源別にかかわらず公平に取り扱うことを原則として策定されている。
しかし、欧州では、再生可能エネ電源の導入円滑化を図るため、EU再生可能エネルギー利用促進指令により、再生エネ電源の系統への接続に当たり優先性を持たせる「優先接続」や優先的に給電させる「優先給電」の導入が検討されている。このため、日本もESCJの現行ルールを抜本的に見直し、「電源種別によらない取り扱いの原則」の例外を拡張し、欧州並みかそれ以上のルールに改めようというもの。
例えば、「優先給電」つまり「軽負荷時の出力抑制」の順番については、現行ESCJルールにおいては長期固定電源(原子力、流れ込み式水力、地熱)の出力抑制を回避するため、[1]般電気事業者が調達した電源(火力発電、揚水式発電など)[2]取引所の活用による余剰電力の市場売却[3]全国融通(広域相互協力融通)の活用による余剰電力の域外への送電[4]PPSの電源の出力の抑制、の順になっており、事業用の太陽光発電や風力発電などの出力変動電源は「[1]」に位置付けられていた。
しかし今回の見直しでは、安定供給確保の観点から、全国融通やPPS電源、長期固定電源の順番は変えないものの、一般電気事業者が調達した電源のうち、まず火力電源などの出力抑制、取引所取引の活用を経た後に、太陽光・風力電源の出力抑制を講じることにする。地域間連携線の混雑処理時の抑制順番についても、同様に再生可能エネ電源の優位性を確保する。
当面は500キロワット未満
一方、一般的に事業用とされる風力発電やメガソーラーと、一般的に非事業用とされる住宅や中小工場の屋根に設置される太陽光発電等とは区別すべきと判断、「500キロワット未満」は非事業用と位置付ける方針だ。事業用は設備容量が大きく電力系統への影響も大きいことや技術的にも制御しやすいことに対し、非事業用は住宅用太陽光発電(4キロワット程度)のように1基当たりの設備容量が小さく、設置個所数がばく大なこと、また技術的にも遠隔からの制御が極めて困難なことから、当面は「500キロワット未満」の再生エ可能ネ電源は出力抑制の対象としないことにしたもの。
ただし、太陽光発電の導入量が現在の200万キロワット程度から1千万キロワット程度に拡大すると見込まれる数年後には、非事業用についても出力抑制の検討を開始する方針だ。出力抑制する場合、当面は住宅用太陽光発電などのパワーコンディショニングシステム(PCS、直流・交流変換装置)に、出力抑制を行う時期・日付け等にかかわるカレンダー機能を付加することを想定している。また将来、電力系統において双方向通信が導入された際には、非事業用も、事業用と同様にESCJの系統ルールの対象にしていく方針。
再生可能エネ電源の系統への「優先接続」についても、電力品質の低下を防ぎ、保安の確保を図るために定められている接続要件を見直す方針。例えば、風力発電の個別審査において、電圧変動幅が制限値(およそ±1〜2%以内)を超える場合、現在は電圧調整装置(SVC等)の設置が義務付けられているが、風車の出力制御や連携台数の調整などで代替できるように改める方針だ。
これらの系統ルール見直しは、12年度に導入予定の再生可能エネ全量固定価格買い取り制度に先立ち、今夏にも実施される予定。
2/25の上田市における「環境エネルギー政策研究所」飯田所長の講話を聴いて深く感化された。同研究所のHPに面白いレポートがありましたのでご紹介いたします。
「後退する民主党の気候変動政策」(前略)
民主党政権の環境政策の後退は、自然エネルギーの「全量固定価格買い取り制度」でも見られる。これは太陽光や風力などを利用して発電された電気を電力会社が購入し、そのコストを電力料金に上乗せして国民全体で負担を分かち合う仕組みだ。しかし制度設計を経産省の官僚が主導し、政治家の力不足で官への依存が増している。
■欧州の成功例に刺激され導入
全量買い取り制度は欧州主要国で導入された。ドイツでは太陽光発電が急速に伸び、同発電パネルの生産量は2006年に日本はドイツにトップの座を明け渡した。
自然エネルギーは現時点で発電コストが高くなりがちだ。技術革新と普及による生産の拡大によって長期的にコストは下がるが、これまで経産省は買い取り制度に消極的であり、一方で民主党は導入を主張していた。
ところが政権交代の直前、経産省は09年8月に家庭用電力向けの余剰電力買い取り制度を導入。そして民主党政権になってから、風力など事業目的の発電も対象に広げる全量買い取り制度を検討している。
しかし官僚主導の制度設計は行き詰まりを見せる。日本経団連は電気料金上昇を懸念して猛反対し、「環境税実施と同時に実施されれば素材産業に大打撃を受ける」(幹部)と唱える。
自然エネルギー事業者の失望も大きい。経産省は太陽光以外の買取価格を1キロワット当たり15〜20円に設定する意向だ。価格を引き下げる狙いとみられるが、自然エネルギーは種類や地域で発電コストが異なるため、一律の設定にそぐわない。こうした状況下で制度の設計の先行きは不透明だ。
■制度作りを官が促進する
民主党政権は「政治主導」を唱えるが、一連の自然エネルギー政策では政治家の姿は見えず、折衝や調整の主役は経産省官僚だ。「官僚が自らの影響力が増す仕組みを作り、エネルギー政策の『囲い込み』をしている」。民主党の環境政策のブレーンで環境エネルギー政策研究所の飯田哲也代表は現状を分析する。
飯田氏によると、買い取り制度をめぐる議論には「官の意図的で隠れたサボタージュ」があるという。経産省が出す資料には既存の電力網に自然エネルギーを組み込む費用を高めに算出し、技術革新を考慮しないなど、専門家が見るとおかしな設定が数多く記されているという。「『20世紀型エネルギー体制』、つまり原発の利用、事業者の地域独占、経済効率優先という今の形を部分的に作り直した上で存続させようとしている。CO2を大量に排出し、官僚の権益を守るという、これまでのエネルギー政策の失敗を繰り返しかねない」と飯田氏は指摘する。
民主党政権の「政治主導」は外交、税制、経済政策など多くの場面で失敗を重ねた。自然エネルギーをめぐる政策でも政治の力不足で生まれた空白を官僚が埋め、新しい形の官僚支配が生まれつつあるのかもしれない。(オルタナ編集部=石井孝明)2011年1月18日
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本日2月25日うえだ環境市民会議主催による「自然エネルギーによる第4の革命~地域から変革を巻き起こす~」という長い名前のセミナーに参加してきた。講師は写真の環境エネルギー政策研究所所長飯田哲也(いいだてつなり)氏。自然エネルギーや原子力などの環境エネルギー政策専門家で、例の事業仕分けのワーキンググループのメンバーでもある。市の広報紙にセミナーが紹介されていたので、少しばかり胡散臭いかな?と思ったものの、まぁ話半分でも、現在の自然エネルギー事情の情報収集にもなると出かけた。①環境エネルギー大転換の必要性②温暖化と原発を巡る神話③自然エネルギー革命の時代④地域からのエネルギー変革⑤モノからコトへ~価値を創り出す・・・この五項目にわたって理路整然と現在の問題から何が求められているかそして今どうすべきか等々非常に判り易くまとめられ、本当に有意義なセミナーでありました。
第4の革命?といきなり言われてもピンとこなかったが、氏の言う第4とは勿論自然エネルギーの事のようだ。第1が農業革命第2が産業革命第3がIT革命それに続く第4が自然エネルギーという訳だ。化石燃料に頼る今の危機、原子力発電の危うさと将来性の乏しさ、自然再生エネルギーの各国の取り組みと日本の取り組みの貧弱度合い、覚束なさ・・・話を聞くうちに引き込まれ、取り組むべき問題の巨大さと日本の政治の頼りなさが明々白々と論じられていた。
2009年11月より国の法令(エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律等)に基づき太陽光発電の余剰電力買い取り制度がはじまりました。利用平均価格約24円の所を余剰電力とはいえ、48円で買い取ってくれる制度の導入により、一気に太陽光発電システムの導入に拍車がかかった。この48円が10年固定であるという点が、いわゆる「何年経ったら元が取れるの?」という消費者の素朴な疑問に明確に対応できるようになった(独や西は利用可化の3倍で買い取り・・・設置は日本をあっという間に追い抜く事になった)。
これが、23年度になって、一体幾らに設定されるのか、業界関係者のみならず、注目の的でありましたが、2月17日の経産省主催の有識者検討会議にてほぼ決定となった。経産省正式決定は3月になる見こみながら、住宅用42円、非住宅用40円となる模様。
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