「太陽光発電は原発の代わりになるか?」などというもつともらしい議論が、原発事故以来喧しい。これはトルストイと芥川龍之介はどちらが偉大か?という議論に似て、およそ前向きな議論とは思えない。
原発は、地球温暖化対策のエースと認識され、地震→福島原発の事故までは、CO2削減の為増設が推進され、高速増殖炉「もんじゅ」だのプルサーマル計画た゜のが悉く頓挫し、莫大な国家予算と時間を浪費してしまっているにも拘らず、尚次世代の発電施設のエースとして認識されていた。
所が、今回の事故をきっかけとして、今まで臭いものには蓋をしてきた、その蓋が一気に外れてしまい、その臭い実態が衆目の元に晒される事態となった。
CO2は削減できるけれど、放射能汚染はどうするの?使用済核燃料はこのままでは処理できないまま5年も経つと各原発で溢れて来てどうにも隠しようが無くなりますよ。一体どうしようとしていたのでしょうか?所轄の経産省のお役人、担当大臣以下はどうしようとしていたのでしょう?余りに、余りにも無責任過ぎやしませんか?
電気はコンセントを繋げば得れるもの、スイッチを押せば電気は点くものと当たり前のように思っていた我々が如何に危ない橋を渡っていたかを今こそ知るべきなのです。
電気に関する好い加減なデータの一つに、原発のコストと発電シェアがあります。本当にこんないい加減なデータを論理展開の根幹に於いて話を進める馬鹿さ加減、良い加減さ、あるいは狡さが信じられない。原発のコストは4.8〜6.2(円/kwh)太陽光は46円/kwh・・・経産省・エネルギー白書2008年より 平気でこの数字が独り歩きしている。これは、原発の闇雲推進派による都合の良いデータ捏造が・・・と言って悪ければ、データの作為的運用が見え隠れしている。
様々な利権構造への癒着がこうしたゆがみを生んで、闇雲に原発を推進しようとする。福島原発一基分の電力を得ようと思ったら東京山手線の内側を全て太陽光パネルで敷き詰める面積が必要だ・・・こういう論理展開をする輩に、日本の未来を語る資格はない。
自然な再生エネルギーはともかく安全で、未来に負の遺産を残すものではない。CO2も放射能も何もない。例えばプルサーマル計画に使った2兆2千億円を、もんじゅに使った1兆円(この金額は一部でしかないと思います)を自然再生エネルギーに使っていたとしたら、今の日本は変わっていた筈。
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電力問題を論ずる時、混乱を招く第一の原因は、それぞれの立場の意見のペースになっているデータが本当にバラバラで、それぞれが自分の都合の良いデータを色々な所から引っ張ってくるので、どれも尤もらしく、どれもそれなりに説得力があるように出来上がっている事。これって何時のデータ?これって何処の国のデータ?実に我田引水って将にこの事と思うばかり。余りの酷さに、「お前達真面目にやれ!」って思わず叫びたくなるほど。
従って、自分の都合の良いデータだけ引っ張ってくるインチキさに注意して、論理展開して行く。
テーマは、「何故日本の電気料金は、諸外国に比べて高いのか?」
簡単な理屈で、要するに競争の無い、独占企業だから、好き放題やっているという事。長ーい年月をかけてこの独占体制が批判・非難される事の無いように支配力を強めてきたからに他ならない。
例えば、今年2011年原発事故の時の東電社長は、経団連の副会長であったし、以前から経団連の会長・副会長を勤めた人は、東電の社長・会長が多い。関電、中電も同様で、関西、中部の財界の顔役でその地域の経済の常に中心にいる。他の企業からの文句も出にくい。メディアに対する支配も同様で、大手メディアは膨大な広告費でがんじがらめ。更に、電力会社から多額の補助金などを受けている大学・研究室も多く、電力会社の事業にお墨付きを与えてきた。
このような前提のもとで、「総括原価方式」という方法で電気料金が決められている。
一般の企業は、極めて当然のことながら、利益を確保する為に、コストを減らす努力をする。その努力たるや将に血反吐を履くがごとき、凄まじいものである。ところが電力会社は、コスト+利益を電気料金に上乗せする事が法律で認められている。どれだけコストがかかろうが利益が保証され、しかも地域独占が許されている。競争原理が働かず、私企業とされながらも手厚い保護により日本の電気料金は高値で維持されている。
ブログの更新をおざなりにして久しい。震災以降のめまぐるしさ故ではなく、単にfacebookに嵌まってしまって、各種報告、意見披露をそちらで浮気してしまっていたにすぎない。
とはいえ、約5ヶ月ぶりに、記す気になったのは、長野県茅野市にて先週の日曜日(7/31)開催された「第一回皆のエネルギー・環境会議」に参加し、大いに啓蒙されて来たからに他にらない。
震災が有る無しにかかわらず、いわゆる"自然再生エネルギー"関連のシンポジウム、セミナーには積極的に参加して来た。
自分が、自然再生エネルギーの代表選手である「太陽光発電」に係る仕事をさせて貰っていながら、その知識、素養が生半可なものであって良い筈はなく、また、「太陽光発電関連商品」を販売しながら、結構いい加減で悪質な業者が跋扈している現実をみると、自分だけはお客様に正確な情報を広範に収集し、正確なインフォメーションをしたいと考えていたから。
2月にうえだ環境市民会議主催の「自然エネルギーによる第4の革命~地域から変革を巻き起こす~」というシンポジウム、3月(震災前でした)ISEP(環境エネルギー政策研究所)10周年記念シンポジウム、そして震災後頻繁に開催されるようになったエネルギー関連のシンポジウム・・・脱原発・エネルギーシフトシンポジウム、日弁連主催の「福島第一原発の事故を通して、世界のエネルギー・環境問題を考える」、続いてISEP総会時の飯田哲也氏のセミナー、そつて今回の「第1回みんなのエネルギー・環境会議」と立て続けと言って良いほどのシンポジウム花盛りといった状況です。
今回の発起人でもあります・・・飯田哲也氏はどのシンポでも出席されていて、「この人も震災以後生活が一変しているだろう」と思われます。
今回も、全体討論は4部構成で①原子力②自然再生エネルギー③政策決定④ライフスタイル・・・話題提供者、ディスカッサントも多士済々の方々で、11:30〜19:00までの長丁場でしたが、全く飽きさせない素晴らしい内容のセッションでした。
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